レガリア The Three Sacred Stars 感想

贔屓のユニットがキャラデザやっていたレガリア The Three Sacred Stars。リテイク前の4話、リテイク後の13話を全部みました。


うーん…監督や脚本の頭の中に存在する設定や伝えたい内容を視聴者に提示することができておらず、こちらとしては何が何やらという印象でした。判断基準となる設定周りの情報が曖昧で「よくわからない」ので面白いとか面白くないとか以前の問題、率直に言って評価に困ります。
いちおう円盤特典の小説や事前放送で本編で語られなかった設定などを色々出しているようですが、作品として世に出すなら本編だけで伝えたいことを全て出しきるべきです。「○○で説明してるから本編で描写しなくてもいい」は甘え。
また描写についても、

  • 2話で苦戦、閉じ込められて大ピンチ!で締めたのに3話冒頭でこれまでの苦戦はどこへやら、たったパンチ2回で解決、そのまま必殺技1回で勝利という非常につまらない戦闘結果(普通ならユイが覚醒するか、ティシスが乱入して助ける場面)
  • 「ティシス・メガエラ組を戦闘させる」「ユイレナを描写する」「ヨハンの身の上を語る」「世界観を語る」の4種類の情報をローテで与えて視てる側を混乱させる構成だった11話
  • 物語佳境の戦闘中にいきなりノア姉様!と叫ぶサラ。それまでノアを想う描写がない状態だったのに唐突に重要キャラを出されても困る
  • 9話で意味深な一発芸を披露しておきながら、そのあとは特に何も言及しなかった謎の「増えるヨハン」
  • 初対面のイングリッドにも食いつくくらい可愛い女の子大好き(公式)なレツが、記憶を消されたからといって知らない女の子(ユイ)にそっけない対応とる設定との齟齬
  • 11話と12話の大半を使って溜めたティシスの必殺技なのに戦果は随伴機を落としただけという、散々期待させてそれだけかよ!というガッカリ感
  • ラストバトル中にヨハンへ言ってたこと(想いの継承、みんなで力を合わせて〜、とか)が作品テーマ?と仮定して。本編では大抵ユイが一人でどうにかしちゃってたお陰で、そんなこと言われても全然響かない

この他にも色々ありますが、はっきり言って下手くそ。


感想をまとめると、他人に自分たちの創った世界を理解してもらおうという意識が希薄な自己満足レベル止まりの作品で期待外れでした。レガリアの製作陣は言葉通り「ロボと美少女をやりたい」だけで、「実際どのようにして作品を作り上げていくか」までは全く考えないまま製作に入った気がしますね。もうちょっと、「ロボ」「美少女」以外の設定周りを練りこんでから製作に取り掛かって欲しかった。


…とまぁ、ここまでだったらいいんです。監督は初監督でオリジナルという無茶なことやった上にサポートする脚本家の人選に失敗してるので、また今度頑張れ、と言いますよ。


でも、これ、「クオリティ」を理由に作り直しをして関係各所に甚大な迷惑をかけてるんです。なのに、出てきたものはこれってちょっと酷くないですか?
製作陣が見所!と言っていた手書きロボット戦闘、確かにアーベル戦まではすごかったですし、延期の理由が「クオリティの向上」だったので最後までこの戦闘シーンをやってくれると思ってたんですよ。しかし終盤の戦闘シーンは率直に言ってダメダメ。尻の方が動いてるってどういうことなの…
今となっては「クオリティ」はただの建前でただ単に落としたから時間ほしいがための言い訳だったと思っていますが、クオリティを理由に各所に甚大な迷惑をかけた以上、ちゃんとしたものを提出する義務があると思いますよ? できないのであれば最初から「落としました」と言うべきでした。


以上の大減点より、評価は「擁護不可能」です
キャラデザのユニット(QP)が好きなので内容がダメダメなだけだったら公式設定資料集くらいは買うつもりだったですし、クルセイドのレガリア弾もカジュアルプレイ目的で買うつもりだったんですよ。でもひと騒動起こしたのにこんなのを出すようなレガリアには金を落とす気にはなれません。